LEDビジョンを導入する時、「コントローラーって何をするもの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。実は、このコントローラーがなければ、LEDビジョンに映像を映すことすらできません。今回は、LEDビジョンの「脳」とも言える、コントローラーについて詳しくご紹介します。
LEDビジョン コントローラーは、映像出力機器から受け取った信号をLEDビジョン用の信号に変換する機器です。一般的なモニターやテレビと違って、LEDビジョンには映像機器を直接つなぐことができません。そのため、「映像出力機器 → LEDビジョンコントローラー → LEDビジョン」という流れで接続する必要があります。
コントローラーの主な役割は2つあります。1つ目は、入力された映像信号をLEDビジョンが理解できる形式に変換して出力すること。2つ目は、LEDビジョンの明るさを調整することです。明るさ調整には、調光センサーを使った自動調光と、時間帯を指定した自動調光の2種類があり、0%から100%まで細かく設定できます。この機能により、昼夜や天候の変化に対応して、常に見やすい映像を保てます。また、必要以上に明るくならないため、電力の節約にもつながります。
LEDビジョン コントローラーには、大きく分けて同期型と非同期型の2種類があります。
同期型コントローラーは、リアルタイムで映像を処理します。PCやカメラから送られる映像がそのままLEDビジョンに表示されるため、コンサートやスポーツイベント、ライブ配信などでよく使われます。PCを終了すると、LEDビジョンの表示も消えます。
非同期型コントローラーは、あらかじめ作成したデータをコントローラー内部に保存して再生します。PCで作成したデータをLANケーブルやUSBメモリでコントローラーに保存すれば、PCを終了してもLEDビジョンは表示を続けます。屋外の固定設置プロジェクトや、複数のスクリーンを設置している場所で活躍します。最近では4Gモジュールを搭載したモデルもあり、遠隔地から簡単にコンテンツを更新できるようになっています。
LEDビジョンは、フルHD(1920×1080)のような標準的な解像度にならないケースがほとんどです。例えば、3.9mmピッチで500×500mmのパネルを8×5枚組み合わせた場合、解像度は1024×640となり、アスペクト比は16:10になります。
この問題を解決するのがスケーラーです。スケーラーは「映像送出機器」と「LEDビジョンコントローラー」の間に接続して、解像度を調整します。フルHDの映像をLEDビジョンの解像度に合わせて縮小・拡大するため、映像全体をきれいに表示できます。スケーラーによっては、16:9のアスペクト比を維持したまま上下に黒帯を入れるなど、様々な設定が可能です。
私たちHikvisionのLEDビジョン コントローラーは、ブラウザで接続して直感的に設定できる仕様になっています。専門的な知識がなくても、簡単に操作できる点が特徴です。
LEDビジョン コントローラーを選ぶ時は、以下のポイントに注目しましょう。
まず、入力インターフェースの種類を確認してください。HDMI、DVI、VGA、LANケーブルなど、接続したい機器に対応しているか確認が必要です。複数の映像入力系統に対応していれば、PCやカメラ、Blu-rayプレーヤーなど、様々なソースを柔軟に切り替えられます。
次に、画質調整機能もチェックしましょう。明るさ、色補正、シャープネス、ガンマ補正など、コンテンツごとに細かく調整できると便利です。特に屋外設置の場合は、環境光に合わせた調整が欠かせません。
オールインワンタイプのコントローラーなら、これ1台でLEDビジョンの運用が可能です。様々な映像ソースから多様なサイズの映像をLEDビジョンに送信でき、映像をLEDビジョンにフィットさせられます。システム構成用のコンピュータソフトウェアが不要なモデルもあり、導入のハードルが下がります。
最もシンプルなシステムでは、映像出力にBrightSignのようなサイネージプレイヤーを使います。Windows PCで放映データを作成し、USBメモリに格納してBrightSignに差し込むだけです。専用ソフトウェアは無料で提供されています。
より高度なシステムでは、クワッドビュープロセッサーを使って、最大4つの入力ソースを1画面に合成できます。レイアウト編集、スケーリング、クリッピング機能を使えば、LEDビジョンの特殊な画面比率に合わせて多彩なレイアウトが実現します。4K/60p入出力に対応し、黒画面を挟まずにシームレスに切り替えられるモデルもあります。
データ伝送装置も重要な要素です。処理された映像信号をコントローラーからLEDビジョンに伝送するため、光ファイバ伝送装置、LAN回線伝送装置、無線伝送装置などが使われます。設置環境や距離に応じて、最適な伝送方法を選びましょう。
コントローラーを導入した後も、定期的なメンテナンスと適切な管理が大切です。
制御ソフトウェアを使えば、遠隔でLEDビジョンを制御・管理できます。グラフィカルなインターフェースを通じて、画像や動画のアップロード、切り替え、明るさの調整、再生スケジュールの設定などが行えます。最近では、スマートフォンやタブレットからでも操作できるシステムが増えています。
リモコン対応のコントローラーなら、輝度、音量、ミュート、画面のオンオフ、入力切り替えなどを現場で簡単に操作できます。ミラーリング機能やUSB動画プレイヤー機能を搭載したモデルもあり、臨機応変な運用が可能です。
センサー類との連携も便利です。明るさの自動調整、温湿度監視、再生タイミング制御など、より複雑な制御と管理機能を実現できます。これにより、運用の手間を減らしながら、常に最適な状態でLEDビジョンを稼働させられます。
LEDビジョン コントローラーは、単なる映像変換装置ではありません。解像度の調整、明るさの制御、複数ソースの管理など、LEDビジョンを快適に運用するために欠かせない「脳」の役割を果たします。
同期型と非同期型の特性を理解し、用途に合わせて選ぶことで、より効果的な映像表示が実現できます。スケーラーやプロセッサーとの組み合わせにより、特殊な解像度のLEDビジョンでも美しい映像を表示できます。
私たちHikvisionでは、直感的に操作できるLEDビジョン コントローラーをご提供しています。導入から運用まで、お客様のニーズに合わせたソリューションをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。LEDビジョンの可能性を最大限に引き出し、効果的な映像表現を実現しましょう。
Q1: LEDビジョンにコントローラーは必ず必要ですか?
はい、必要です。LEDビジョンは映像出力機器を直接接続できないため、コントローラーを経由して信号を変換する必要があります。コントローラーがないと、LEDビジョンに映像を表示できません。また、明るさの調整や解像度の変換など、快適な運用に欠かせない機能もコントローラーが担っています。
Q2: 同期型と非同期型、どちらを選べばいいですか?
イベントやライブ配信など、リアルタイムで映像を切り替える必要がある場合は同期型がおすすめです。一方、デジタルサイネージのように決まったコンテンツを繰り返し再生する場合は、非同期型が適しています。非同期型なら、PCを切ってもコンテンツの再生が続くため、24時間運用にも向いています。
Q3: スケーラーは必ず必要ですか?
映像ソースとLEDビジョンの解像度が一致していれば不要ですが、ほとんどの場合、LEDビジョンは標準解像度ではないため、スケーラーが必要になります。スケーラーなしで接続すると、映像がトリミングされたり、正しく表示されなかったりします。きれいな映像を表示するためには、スケーラーの導入をおすすめします。
Q4: コントローラーの設定は難しいですか?
最近のコントローラーは、グラフィカルなインターフェースを採用しており、専門知識がなくても操作できるようになっています。ブラウザから接続して直感的に設定できるモデルもあり、初めての方でも安心です。メーカーによるサポートやマニュアルも充実しているため、導入後の運用も問題ありません。
Q5: 遠隔操作は可能ですか?
はい、可能です。4Gモジュールを搭載したコントローラーなら、インターネット経由で遠隔地からコンテンツの更新や設定変更ができます。制御ソフトウェアにログインするだけで、画面から離れた場所でも操作できるため、複数拠点に設置したLEDビジョンの管理も効率的に行えます。