病院・医療施設向けセキュリティシステム:患者・スタッフ・薬品管理を守る

Feb 12, 2026

医療施設が抱える特有のセキュリティ課題

病院や医療施設は、一般のオフィスや店舗とはまったく異なるセキュリティ上の難しさを持っています。24時間365日、不特定多数の患者・家族・スタッフが出入りし、高価な医療機器や依存性の高い薬品が院内に存在します。さらに、認知症患者や精神科患者の徘徊・離院リスク、そして残念ながら増加傾向にあるスタッフへの暴力・カスタマーハラスメントにも対応しなければなりません。

個人情報の取り扱いも医療施設ならではの課題です。患者のプライバシーを守りながら、同時に安全を確保するというバランスが、施設側に求められます。「監視が必要だけれど、見られすぎてもいけない」という難しいさじ加減を、適切なシステム設計で実現することが大切です。

エリア別カメラ配置の考え方

医療施設のセキュリティを設計するうえで、「どこに何を置くか」がとても大事です。エリアごとにリスクの種類が違うので、それに合ったカメラを選ぶ必要があります。

エントランス・受付周辺

病院の顔でもある受付エリアは、来訪者の入退館管理とトラブル発生時の証拠記録の両方が求められます。広角レンズを持つネットワークカメラを天井に設置し、受付カウンター全体を俯瞰できるようにしましょう。夜間や照明が落ちた時間帯でも鮮明な映像を残せるカメラを選ぶと安心です。

薬品庫・医療機器保管室

麻薬・向精神薬などの管理薬品が保管されているエリアは、不正アクセスや持ち出しを即座に検知できる体制が必要です。扉の開閉と連動したカメラ録画、入退室ログとの照合ができる構成が理想的です。小型でも高解像度のカメラを扉正面に設置し、誰がいつ出入りしたかを映像で確認できるようにしておきましょう。

病棟・廊下・エレベーター

認知症患者や精神科患者の無断離院(離棟)を防ぐためには、病棟出口や廊下の要所にカメラを配置します。エレベーターホールや非常階段入口も見落とせないポイントです。PTZカメラを活用すると、広い廊下を1台でカバーしながら必要に応じてズームアップできるため効率的です。

駐車場・屋外周辺

夜間の駐車場は見通しが悪く、スタッフへの嫌がらせや車上荒らしが起きやすい場所です。暗い環境でもフルカラー映像を記録できるColorVu 3.0シリーズのような高感度カメラは、夜間の屋外監視に特に効果的です。

エリア別カメラ選定クイックガイド

エリア 主なリスク 推奨カメラタイプ
エントランス・受付 暴力行為・不審者侵入 広角ネットワークカメラ(顔認識対応)
薬品庫・保管室 薬品の盗難・不正持ち出し 小型高解像度カメラ+入退室連動
病棟・廊下 離院・徘徊・転倒 PTZカメラ・広角ドームカメラ
ナースステーション スタッフへの暴力・ハラスメント 小型ネットワークカメラ(低照度対応)
駐車場・屋外 夜間の車上荒らし・不審者 フルカラー夜間カメラ(ColorVu等)

AI機能で医療施設の安全を一歩先へ

最近の防犯カメラには、映像を「見る」だけでなく「考える」AI機能が搭載されています。医療施設での活用シーンはいくつかあります。

  • 徘徊・異常行動検知:特定のエリアに長時間とどまっている、または夜間に廊下を歩いているといった行動を自動検知してアラートを出す
  • 転倒検知:患者が転倒した瞬間をAIが判断し、スタッフに即通知。夜間の単独での転倒事故にも対応できる
  • 入退室エリア管理:立入禁止区域への侵入をリアルタイムで検知し、警告音や通知を自動送信
  • 混雑検知:待合室の混雑状況をAIが把握し、感染対策や案内業務の効率化に活用

これらのAI機能は、常にモニターを見続けるスタッフの負担を大幅に軽減します。「何かあったときに気づける」体制を、人の目に頼らずに構築できるのが大きなメリットです。

医療施設でのプライバシー配慮と法令遵守

医療施設でカメラを設置する際、患者のプライバシー保護は絶対に外せないポイントです。病室・トイレ・更衣室などへの設置は原則NGであり、個人情報保護法や医療法に基づいた運用が求められます。

撮影した映像の保存期間・アクセス権限・閲覧ルールを院内で明確に定めておくことも大切です。「誰でも映像を見られる」という状況は、スタッフの信頼を損ない、患者からの不信感にもつながります。私たちHikvisionでは、映像へのアクセスログを記録する機能や、特定ユーザーにのみ閲覧権限を付与できる管理システムをご用意しています。

また、カメラ設置場所には「防犯カメラ作動中」などの掲示を行うことが一般的なガイドラインとして推奨されています。患者・家族への丁寧な説明と告知が、施設への信頼感を高めます。

システム構築・導入時のポイント

医療施設は建物が大きく、配線工事が複雑になりがちです。ケーブル1本で給電と映像伝送を同時に行えるPoE(Power over Ethernet)方式を採用すると、工事の手間とコストを抑えられます。詳しくはPoEカメラシステム構築ガイドも参考にしてみてください。

録画データの保存容量も事前に計算しておく必要があります。カメラ台数・解像度・録画時間によって必要なHDD容量は大きく変わるため、導入前にしっかり見積もっておきましょう。弊社の防犯カメラ製品一覧では、施設規模に合わせたさまざまな製品をご確認いただけます。

まとめ:医療施設には「専門設計」のセキュリティを

病院や医療施設のセキュリティは、「とりあえずカメラをつければOK」ではありません。薬品管理・離院防止・暴力対策・プライバシー保護という複数の課題を同時にクリアする設計が求められます。エリアごとのリスクを整理し、AI機能や適切なカメラタイプを組み合わせることで、スタッフの負担を増やさずに安全な医療環境を実現できます。

私たちHikvisionは、医療施設向けのセキュリティシステム設計についてのご相談も承っています。「うちの病院に合ったシステムって何だろう?」と感じたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 病室にカメラを設置しても問題ありませんか?

原則として、患者のプライバシーを侵害する恐れがある病室内への設置は推奨されていません。どうしても安全確保が必要な場合は、患者・家族への説明と同意取得、そして映像の厳格な管理体制が前提となります。法的な判断が必要な場合は専門家へのご相談をおすすめします。

Q2. 夜間の廊下でも鮮明に撮影できますか?

はい。低照度対応のカメラや、ColorVuシリーズのようなフルカラー夜間撮影が可能なカメラを選ぶことで、照明が少ない廊下でも鮮明な映像を記録できます。赤外線カメラとの違いについては、別記事でも詳しく解説しています。

Q3. 離院した患者をリアルタイムで検知できますか?

AI搭載カメラと連携したシステムを使えば、特定のドアや出口を通過した際に即座にアラートを出すことが可能です。さらに顔認識機能を活用すると、対象患者の動線を自動で追跡することもできます。

Q4. 既存の院内ネットワークにカメラを追加できますか?

多くの場合、既存のLANネットワークにネットワークカメラを接続して導入できます。ただし、医療システムとの分離(セグメント管理)など、セキュリティ上の配慮が必要です。導入前に専門業者との確認をおすすめします。

Q5. 映像データはどのくらいの期間保存できますか?

保存期間はHDDの容量とカメラの台数・解像度によって異なります。一般的には30日〜90日分の録画を目安に設計することが多いです。長期保存が必要な場合はクラウドストレージとの併用も選択肢のひとつです。

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