共連れによる不正入室防止|3つの効果的な対策と最新技術

Dec 22, 2025

オフィスや施設のセキュリティで見過ごされがちなのが「共連れ」による不正入室です。入退室管理で認証を受けた人が入退室する際に、認証を受けていない人が同時に出入りする行為のことで、朝の混雑時に起こりやすい問題です。この記事では、わたしたちが考える効果的な対策と実践的な導入方法をお伝えします。

共連れとは何か

共連れとは入室許可者がドアやゲートを開けたタイミングで、立ち入りを制限されている人が一緒に入室する行為です。大きく分けて2つのパターンがあります。1つ目は入室許可者が意図的に第三者を招き入れるケース、2つ目は許可を得ていない人が勝手に入室するケースです。

どちらの場合も、情報漏洩や不正アクセスのリスクを高めます。例えば、オートロックのマンションで入居者が解錠したタイミングに不審者が侵入する場面を想像してみてください。オフィスでも同じリスクが存在します。事件・事故発生時の事後検証を困難にする要因にもなるため、早めの対策が必要です。

セキュリティゲートで物理的に防止する

共連れ対策で最も確実なのは、認証を通過した人だけが物理的に入室できるように制限する設備の導入です。鉄道の改札を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。1回の認証で1人しか通過できない仕組みです。

フラッパー式やロータリー式など、さまざまなタイプがあります。フラッパー式であれば入室者を認証するとフラップが開き、入室者が通過するとフラップは再び閉じます。これなら複数人が同時に入るのは不可能です。

ただし、設置には初期コストがかかります。有人警備の代替手段にもなり、長期的にはコスト削減にもつながるので、予算と照らし合わせて検討する価値があります。わたしたちはHikvisionの共連れ検知ソリューションで、高精度な人物追跡技術を提供しています。

アンチパスバック機能を活用する

アンチパスバックとは、入室時の認証記録がない人の退室を許可しないセキュリティ機能です。共連れで不正に入室した人は入室履歴がないため、退室時にエラーになります。

この方法の利点は導入コストの低さです。アンチパスバックは入退室管理システムの標準装備となっているケースが多く、認証リーダー以外に必要なものがないため、追加投資なしで使える場合があります。

ただし、心理的な抑止力として活用するか、ID認証による入退室ルールを徹底させる程度の目的としての位置付けと理解しておくべきです。正規の認証者と一緒に入室・退室すれば、共連れは可能になってしまいます。完全な防止策ではなく、他の方法と組み合わせることをおすすめします。

監視カメラによる記録と抑止

監視カメラは共連れの証拠を残し、心理的な抑止効果を生み出します。映像によって人の動きを記録・監視する手段として、出入口や通路に設置します。

最近は画像解析技術が進化しています。監視カメラ・センサによる画像解析で、不審者を発見次第アラートを鳴らし、警備室にも連絡が届きます。通過人数を自動でカウントし、認証回数と照合することで共連れを検知できるシステムもあります。

アンチパスバックと組み合わせることで、共連れ入室の証拠はほぼ確実にとらえられる点が大きなメリットです。ただし、朝夕の混雑時には画像解析での発見が難しいケースもあるため、他の対策と併用することが大切です。

入退室管理の認証方法を選ぶ

共連れ対策には認証方法の選択も影響します。主な方法を見ていきましょう。

暗証番号は低コストで導入できますが、社員が暗証番号を入力してドアが開いた隙を狙って部外者が入室できるため、共連れ対策にはなりません。ICカードも同様に、ドアが開いたタイミングで共連れが可能です。

顔認証システムであれば二人以上で入室する場合でも、それぞれの顔を認証するため部外者を検知しやすく、共連れ防止につながります。カードを忘れる心配もなく、非接触で衛生的です。わたしたちが提供する顔認証ソリューションは、歩きながらの認証にも対応しています。

実際の導入事例から学ぶ

首都圏に工場と本社をもつ製薬会社の都内にある本社/研究所への導入事例があります。新薬開発などの機密情報を抱えるため、厳重な入退室管理をシステム化し、玄関に受付と守衛の3人が常駐していましたが、朝の出勤ラッシュ時には共連れの確認が困難でした。

センサと防犯カメラがある入口ドアを二重にすることで、共連れを確実にキャッチできます。その場でアナウンスし、遠隔地の警備センターに通報する仕組みです。守衛の常勤がなくなり、大幅なコスト削減が実現されたそうです。

機密性の高い情報を扱う企業では、複数の対策を組み合わせることで高いセキュリティレベルを達成できます。

まとめ

共連れによる不正入室は、情報漏洩や不正アクセスのリスクを高める深刻な問題です。セキュリティゲート、アンチパスバック、監視カメラの3つの対策にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

完全な防止は難しくても、複数の方法を組み合わせることでリスクを大幅に減らせます。顔認証など最新技術を活用すれば、利便性とセキュリティの両立も可能です。自社の状況に合った対策を選び、段階的に導入していくことをおすすめします。

わたしたちHikvisionは、お客様のセキュリティニーズに合わせた最適なソリューションを提供しています。共連れ対策でお悩みの際は、ぜひご相談ください。

よくある質問

Q1: 共連れは違法行為ですか?

共連れ自体がすべて違法とは限りません。ただし、許可なく制限区域に侵入する行為は建造物侵入罪に該当する可能性があります。企業のセキュリティポリシーに違反する場合、内部規定による処分の対象になることもあります。意図的な共連れは、情報漏洩などの犯罪につながるリスクが高いため、厳重に対処すべきです。

Q2: アンチパスバックだけで共連れを防げますか?

アンチパスバックは共連れの心理的な抑止力にはなりますが、完全な防止策ではありません。正規の認証者と一緒に入室・退室すれば共連れは可能です。退室時に記録がないことで不正が判明する仕組みですが、物理的に入室を防ぐものではありません。セキュリティゲートや監視カメラと組み合わせることで、より高い効果が得られます。

Q3: 小規模オフィスでも共連れ対策は必要ですか?

小規模オフィスでも個人情報や機密情報を扱う場合は対策が必要です。大規模な設備投資が難しい場合は、監視カメラの設置やアンチパスバック機能付きの入退室管理システムから始めるのがおすすめです。従業員への教育も効果的で、共連れのリスクを理解してもらうことで、日常的な注意喚起につながります。

Q4: 顔認証は共連れ対策にどれくらい有効ですか?

顔認証は共連れ対策に非常に有効です。複数人が同時に入室しようとしても、それぞれの顔を個別に認証するため、未登録者を検知できます。ICカードのような貸し借りもできず、なりすましのリスクも低いです。ただし、認証精度の高いシステムを選ぶことが大切で、照明条件や経年変化にも対応できる技術を採用しているか確認しましょう。

Q5: セキュリティゲートの設置コストはどれくらいですか?

セキュリティゲートの設置コストは種類や規模により異なりますが、数十万円から数百万円程度が一般的です。フラッパー式は比較的高額ですが、確実な共連れ防止効果があります。初期コストは高くても、有人警備の人件費削減を考えれば長期的にはコスト削減につながります。予算に応じて、まずは重要度の高いエリアから段階的に導入する方法もあります。

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